定期借家権

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藤澤Report 「定期借家権こそが普通借家権」
〜必ずできる再契約型定期借家権〜
  
JREM・国際CPM®協会 2003年度会長
定期借家権協議部会長(旧実務者のための定期借家権協議会)
藤澤雅義

  よくぞ通った、と言われた定期借家権が施行されてはや3年。各種業界団体の調査をみると、その浸透度はまだ低調といわざるを得ない。全契約数に占める割合はせいぜい居住系で3%程度といわれているが、この3%という数値の中身を検証する必要がある。定期借家権の使いかたには大きく分けて二通りがあり、3%の中でのそのシェアはいまのところはっきりしたデータはない様に思う。二通りというのは、「再契約型」と「非再契約型」である。この分類を最初に提唱したのはアミックスの末永会長だと記憶しているが、「非再契約型」というのは、転勤家族が帰ってくるまでの間、自宅を貸すとか、取り壊す予定までの一定期間を貸すとか、完全に「定期」の建物賃貸借をいう。
  定期借家権が施行される前までは、借地借家法で転勤・介護を理由とした建物賃貸借に関しては更新ができないことを定めることができた。しかし、たとえば、ただ単に空いている部屋を5年間の約束で貸して、5年後に息子もそろそろ結婚するだろうから、新婚家庭が使えるようにそのときには入居者様に退去してもらおうと思っても、それは法的には担保されないものであった。よって、5年の約束だったのに、いざとなったら「出ない」とゴネたりしないような上場企業限定で貸す、といったことが行われていたのである。
  定期借家権が施行されて、理由を問わず「定期」で貸して、退去してもらえるようになったので、「非再契約型」の建物賃貸借においては、迷わず定期借家権を利用するであろう。また、いままで一戸建て等の自宅を他人に貸すと取られてしまう、といわれていたものを、定期借家権であれば安心して期間限定で貸せるようになった。新たな供給が生まれたといっていいであろう。
  問題は、圧倒的大多数を占める継続性のある建物賃貸借だ。この部分は従来通りの「普通借家権」で運用されているのがほとんどだ。私はここで「再契約型」の定期借家権が使えるし、使うべきだと思っている。3年前、本紙への寄稿のなかで私は、業者、オーナー様は「60年間のマインドコントロール」にかかっていると書いた。昭和16年以前は、諸外国と同じように日本でも定期借家、定期借地が当たり前で、戦時立法で銃後の守りのために、たまたま法定更新が定められたものが60年間きてしまっただけだと。「再契約型」の定期借家権が「普通」であり、不良借家人を簡単には排除できない、また建物の建て替え時に法外な立ち退き料を請求されてしまうような「普通借家権」が「異常」なのだと。
  この「再契約型」の定期借家権が未だ浸透していない理由は大きく分けて3つある。一つは施行当事、定期借家権だと家賃が下がる、礼金を取得するのはそぐわない、といったことが宣伝されたこと。二つ目は「定期」だと入居者様が集まらないのではないかという業者、オーナー様の「思い込み」。三つ目は、運用が少々面倒くさいのと、条文の誤った解釈や理解不足だ。
  当社としては、3年前の施行日よりすべての物件を定期借家権で募集し、契約している。家賃は一円も下がらないし、礼金も従来通り取れる物件はそのまま2ヶ月取得している。更新料の代わりに「再契約料」というものをいただき、とにかく、以前となんら変わらない条件で募集、契約している。いや、逆に契約期間は2年から1年間に短縮した。不良借家人には少なくとも最大1年で退去してもらうためだ。100%断言するが、全国どこでも、誰でも、シングルタイプだろうが、ファミリータイプだろうが、定期借家権で募集、契約できる。当社では、約1年前に全国展開のPMフランチャイズを始めたが、全国各地で当然に定期借家権でやっていただいている。頭を切り替えてさえいただければ障害はない。あえていうなら、たまに、法人契約で総務課長様が定期借家権ではだめだといってくることがあるくらいだ。定期借家権協議会のメンバーもやっているところは当然に定期借家権で運用している、最近では当たり前過ぎてたいして話題にすることもない。入居者様は説明すれば、逆にこのほうがいいですね、といってくる。不良借家人が排除し易いので物件の環境が保たれるからだ。家賃滞納や契約違反がない限りは再契約すると貸主側はいっていて、そのことになんの不自然さもないからだ。
  「再契約型」の定期借家権を使っている会社とそうでない会社の違いを見ていると、PM(プロパティマネジメント)の発想があるかないかの違いかも知れないなあ、と思う。オーナー様の収益の最大化を考えると、定期借家権が断然リスクヘッジができていいはずだ。
  3年たってみると、全国的なことは正確にはわからないが、募集で成功したところや、仲介した体験などから、少しずつ浸透しているのではないかと思う。
  どこかの時点で大きく転換するのかもしれない。
  あと、事務所、店舗の事業系だが、これはたとえば10年契約で中途解約不可とするオーナー様にとっての「収益確定型」の使われ方が今後、課題だろう。中途で退去した場合のサブリース(転貸借)の習慣が根付いていくとおもしろい。
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